冠婚葬祭でご祝儀は袱紗と呼ばれる布で包まれることが多いですが、袱紗の代わりにふろしきで包むことも可能です。もともとはふろしきで包んでいたことが多く、贈り物を汚れから守るものであったため、ご祝儀にも使うことができるようになっています。
現在でもご祝儀をふろしきで包むことはマナー違反ではありませんが、大きいサイズのものだと布が余って不恰好になります。そのため、小さいサイズのものを選ぶのがマナーです。
慶事に使うものであれば、明るい暖色系の色が無難です。赤・ピンク・オレンジ・ベージュなどが良いとされていて、逆に弔事の時には青・緑・グレーなどの落ち着いた色合いを選びます。また、どちらにも使いたいという場合には、慶弔どちらにも使える紫色のものを一枚用意しておくと便利です。
【包み方としては】
①裏側を自分の方にして、品質表示などのタグのある部分を手前に置き、中央に祝儀袋を置きます。左から右に向かって袋のサイズに合わせながら被せ、上の方も被せます。
②次に下側をかぶせて下側の端が袋のサイズからはみ出る時には中側に織り込んで、はみ出さないようにすることがポイントです。
③最後に右側をかぶせて裏側に織り込みますが、ここも余った部分は中側に織り込んで完成となります。
慶事の際には、右開きになるように包みます。
ふろしきを使ってお返しをするときのマナー
お祝い・結納のお返しを包む時にも、ふろしきを使うことができます。お祝い・結納のお返しは一般的に、お金だけではなく時計やスーツ・礼服、バッグや靴など相手が欲しいものを贈るケースが多いです。そのため、ふろしきで包む場合には、送るものの形状に合わせて包んで贈ります。
定番の時計などは、ふろしきを裏側の状態にして中央に包むものを置きます。下側を上側に折って、端を箱の下に入れ込むようにしても良いとされています。端をうまく入れ込みながら左側を折り重ね、右側も同様に折ります。上側を折り重ねて完成です。
比較的コンパクトなものを包むのに適している降り方で、結ばずに掛けるという感覚になります。
家紋入りのものを使う時には、家紋をきちんと見せるように包むように心がけます。
比較的大きなバッグや靴などを包む時には、一箇所だけ結ぶのも良いとされています。裏返しの状態で中央部分に包むものを置いたら、下側を折ります。次に上側を手前に降り重ねたら、左右を二重結びにすると完成という包み方です。端を中へ入れ込み、結ぶ時には縦結びにならないように注意します。
これらは、お祝い・結納のお返し以外にも使うことのできる包み方ですので、覚えておくと便利に活用できます。