風呂敷は、かつてはどこの家庭も日常手放せないものであり、
品物を包んで運ぶときの代名詞のような存在でした。
ところが時代の変遷とともに、街中で見かけることも
少なくなっており、寂しい限りとなっています。
日本人の行動様式が洋風化してきたということなどが
大きな要因だと言えますが、デパートなどがそのロゴや
マークを入れた紙袋で商品を渡すということや
おしゃれなブランドもののカバンがもてはやされたことなども
影響しています。
しかし、風呂敷の最大の特徴は使わないときは
小さくたたんでポケットにしまうことができるということ、
品物を包むときには大きさや形状にかかわらず、
どのようなものでもほとんどカバーできるということにあります。
そうなると、普段荷物を持ちたがらない男性にとっては
格好のツールということが言えます。
振り返ってみると、裁判所に出向く弁護士さんが、
かばんも持ちながら、風呂敷に一杯入れた裁判書類を
もって出かけるという光景がありました。
裁判所に提出するものですから、提出が終われば
その用途は終わりということで、たたんでかばんに収めて
帰るということからです。
こうした事例で分かる通り、書籍の運搬などにも適しています。
何よりも一定の制限量までは、中身に合わせて大きさを
調整できる、中身が殻になればたたんで持ち帰れるという
メリットが大きいのです。
さてそこで、男性が使うことを考えればさらに
使いやすいものとなることもわかります。
いい例は、一升瓶の運搬です。
最近は4号瓶が体裁がいいところから使われやすいのですが、
宴会で酒豪が集まるときは一升瓶でなければ興ざめということもあります。
少しだけ包み方の工夫も必要ですが、風呂敷で包めば
格好も良く粋な感じで運ぶこともできるというものです。
少し大きめの箱型のもので、紙袋では不格好な印象に
なりやすいものも、風呂敷なら体裁もいいものとなります。
つまりやや大ぶりなものや重さを伴うようなもので、
女性よりも男性に運んでほしい場合は、風呂敷の出番が
あるという具合です。